福祉カフェで食べられる、高級ホテルフォーシーズンズの味
先日、東山総合支援学校に併設された、「カフェしゅうどう」に行ってきました。
行くのは、2回目で、久しぶりにこちらのケーキが食べたくなったのです。
なんと、こちらのケーキは近隣のホテル「フォーシーズンズ」がケーキメニューを監修してくださったそうで、とってもおいしいのです。
それが、ケーキとドリンクのセットで、300円で食べられる、という破格のお値段。
フォーシーズンズに行って食べたら、10倍はしますよね…。なんてお得なんでしょう。
教育の場として、生徒さんの実習として運営されているカフェなので、ほほえましい雰囲気です。生徒さんが、頑張ってお仕事されています。私なんかは、高いホテルに行くと、少し緊張してしまいますので、カフェしゅうどうで、フォーシーズンズの味が食べられるというのは、ありがたいことです。
営業日は、東山総合支援学校のホームページからご確認くださいませ。
土日祝はそもそも学校がお休みなので、営業はされていません。
障害学生支援勤務を経て~大学組織とのミスマッチ~
ざっくりですが、数年前の、大学の障害学生支援室での勤務経験を振り返ろうと思います。
契約職員として入職しました。しかし、結局は1年もおりませんでした。
大学という組織のややこしさや、上司との相性などあり、私には全くのミスマッチでした。この時の職場選択の失敗経験から、今は社会福祉法人に転職しました。
私が勤めた大学の障害学生支援において、キーになっていたのが、「障害者差別解消法」です。
2013年成立、2016年4月施工されました。ポイントは、差別的取り扱いの禁止、合理的配慮の不提供の禁止の2点です。こういった法的動向から、支援の体制整備がなされていました。建前は、「障害学生の学びのため」ですけれども、実際は「法的動向」から、仕方がなくなされているというのが私が勤めていた間に受けた印象です。
福祉系、キリスト教系、仏教系の大学であれば、理念を大事にしているところもあるでしょうし、そこらへんの状況は異なるかもしれません。ただ、ふつうの大学においては、あまり多くを期待しない方がいいというのが、短い間ですが、中に入って感じたことでした。素敵なホームページをしっかり作っていても、現実は結構違ったりしますよね…。世の中によくあるお話なのかもしれませんが…。
支援の決定も、現場サイドではなく、教授会で決定される。早急に支援が必要な場合でも、教授会を経なくてはならない。大きな組織ならではのことですが…。
もし、福祉職を経て、大学での障害学生支援のご勤務をご検討されている方がおられましたら、私はあまりお勧めはいたしません…というのが結論です。
止揚学園見学記~施設ではなく家族~
数年前に、滋賀県東近江市の止揚(しよう)学園に見学へ行かせて頂いたことがありまして、今回は、そのときの記録です。
止揚学園は社会福祉法人汀(みぎわ)会が運営する、重度知的障害者のための、障碍者支援施設(いわゆる入居施設)です。には、色々な驚きポイントがあります。なかなかほかではできないことばかり…。
驚きポイント
- 重度の方が多くおられるが、おむつをしている方がおられない。みなさんトイレで用を足せるよう支援している。
- 職員も一緒に裸になってお風呂に入る。写真はお風呂。カラフルで楽しい雰囲気です。
- 1981年に、学園でシンガポール旅行を実現。現在ならまだしも、まだまだ障害者に対する社会の目線が厳しい時代に。1981年ですよ!
- 450曲ものオリジナルソングがある。
- 学園内に納骨堂があり、利用者だけでなく、家族も一緒に入ることができる。
「施設」という感じがなく、「コロニー」や「共同体」といった言葉の方が似あう止揚学園です。
見学後は、こんなところがあるのか…と驚きました。園長の福井生(いくる)さんは著書もありますので、よかったら読んでみてくださいね。
社会福祉法人佛子園(シェア金沢)~ごちゃまぜ地域福祉~
みなさん、シェア金沢ってご存知ですか?
シェア金沢とは、社会福祉法人佛心園(ぶっしえん)が営む、石川県金沢市にある総合福祉施設です。
「ごちゃまぜ」をコンセプトにした地域福祉・地域創生の事例として全国から視察があり、元安倍首相も視察に訪れておられます。
社会福祉法人佛心園は、いくつか施設を営んでおり、それらのいくつかの見学ツアーに行ってまいりました。見学ツアーは、ホームページから申し込めます。見学は有料ですが、昼食・下記の著書もいただくことができ、勉強にもなるし、面白いし、とてもお得だと思いますよ。
ご興味がある方はぜひ一度♪
私が回ったのは、下記の3か所。
■「三草二木 西圓寺」(石川県小松市)
就労継続支援B型・生活介護・高齢者デイサービス・放課後等デイサービス・児童発達支援を1か所で。そして、地域の方が無料で使える温泉もあって、地域のひともいての、「ごちゃまぜ」感がたまりませんでした。廃寺を活用されていて、なかなか味のあるいい雰囲気の場所です。
■B's行善寺(石川県白山市)
ジム、フラワーショップ、カフェ、キッチンスタジオ、クリニックが併設されてて、とても福祉施設という感じがナッシング…。フラワーショップについては、就労継続支援の事業の1つとして運営しているそう。障害者の就労というと、清掃や内職仕事など仕事内容がどうしても限られがちですが、「どんな仕事をしたいか?」から女の子の将来の夢に頻出の「お花屋さんになりたい」という思いの実現として場を設けたそう。素敵かつ、それを実現させるということが素晴らしいですね。
■シェア金沢(石川県金沢市)
大きな病院の跡地を活用していて、敷地はかなり広くゆったりした空間です。小さな住居がちょこちょこ建っていて、施設感はなし。老後はこんなところで自分のペースでゆったり暮らせたら…と思います。アルパカも飼われています。
ちなみに金沢といえば、有名な金沢21世紀美術館!ぜひこちらもいかれてみてはいかがでしょうか。建築は、SANAAの妹島和世+西沢立衛です。一度行かれる価値あり!
福祉雑誌4誌のご紹介~気軽に読めるのがいい~
みなさんは、福祉系の情報ってどこで仕入れていますか?
私は、小難しい本を読むのは苦手でして、よみやす~い雑誌類を手に取ることが多いものでして、
今回は、おすすめ福祉系雑誌や刊行誌を4つご紹介致します。
① コトノネ
圧倒的に写真がキレイ!
写真を見てるだけでも楽しめます。年4回の刊行。
私が素敵だなと思うのが、表表紙を開いた中ページにいつも記載のあるこちらの言葉。
~コトノネは、障害者の「働く姿」を通して、「生きるよろこび」を伝えたくて生まれました。「それは、誰にでもある「生きるよろこび」や「生きづらさ」じゃないか、と気づかされることでしょう。~
働くことはしんどいこともありますが、しんどすぎて、どうにもしようがなくなってしまうことがありますよね。そんな絡まった糸をほどいてくれるのがこの言葉かなと思っています。
↓コトノネホームぺージはこちらから。
②Co-Co Life☆女子部
(↑ホームページより)
コンセプトは「心のバリアフリー」。障害をもつ女子向けのフリーマガジンです。無料というのがありがたい、しかも過去のバックナンバーをPDFで見ることも可能!こちらも楽しくスイスイ読めるので、女性の方におすすめです♪
↓バックナンバーはこちらから
③Swinging
ゴミコロリやアート活動などで有名な、NPO法人スウィングの賛助会員になると、年2回の発送を受けることができます。ちなみに以前私が、申し込みの上見学をさせてもらった場合にはSwingingのプレゼントがありましたよ♪
↓NPO法人スウィングホームページ
④月刊きょうされん TOMO
上記3誌と比べると、華やかさは劣りますが…勉強になりますよ!
きょうされん(共同作業所連絡協議会)の賛助会員(個人1口3,000円)になると、毎月送ってくださいます。1回250円ですね、安い~。
↓きょうされんホームページ
べてるの家に行ったときのこと~悩んだらべてるへ~
みなさんは、「べてるの家」をご存知でしょうか?
「べてるの家(いえ)」とは、北海道・浦河(うらかわ)にあります、精神障害者地域活動拠点です。
↓ べてるの家のホームページです。
2016年に見学に行ったことがありまして、短い逗留でしたが、感慨深い出逢いもあり、悩み多き方にはうってつけの場所です。あなたもぜひ!
感想としましては、実にカオスでした。いい感じに。今思い出しても、行けて良かった。
もし、べてる、気になっている人おられましたら、ぜひ行ってみてください。
以下、簡単な逗留記です。時系列。
■4月13日
最初にお伝えしますと、アクセスは悪いです!
午前9時ころの便で、関西から帯広空港まで飛行機。
帯広空港からはレンタカーを借りて、北海道南端の襟裳岬(えりもみさき)を経由で、海沿いの道を2時間半ドライブ。それでも、何度も通う方もいる「浦河」です。
浦河への到着は、夕方。
まずは、べてるの家が運営してるカフェ「ぶらぶら」へ。仕事終わりの、精神障害お持ちの利用者さん(「メンバー」とべてるの家ではお呼びしてます)と同じテーブルになったので、「京都から来ました」と挨拶すると、「で、何を悩んでここに来たの?」と。
初対面で、最初の挨拶から、「悩み」が話題!
さすが、べてるです。
期待通りです。
いやあ、普段こんなコミュニュケーションないので、吃驚しながらも、「こ、これが浦河かああ!」と静かにテンション上がりました。すごくオープン。みんな悩んで、ここに来るのですね。そりゃそうか。かく言うわたしもそうですが。他にも、「あなたは(幻聴)聞こえる人?」「いや、私は聞こえないですね」「いいなあ」。
普段の話題と違い過ぎて、べてる流のコミュニケーションすぐには馴染めませんでしたが、病気についてオープンでいられる環境がここにはあるのか、と。べてるの理念『弱さの情報公開』。世間話して、その日は、終わり。
■4月14日
就労支援の事業所へ。この事業所では、主に昆布製品の梱包や出荷をしています。
べてるの家の朝は、ミーティングから始まります。べてるの理念『三度の飯よりミーティング』。兎に角ミーティングだらけです。ひたすらミーティングです。べてるのミーティングは、みな、お互いの状況を確認しあうということで、人間味溢れます。あたたかい。ひとりずつ出勤確認と体調について、業務連絡もここで行われます。売り上げ状況なども。数値目標の達成は自己有用感にも繋がりますよね、当然のことですが。「みんなで」「稼いで」いこうという気風。
朝から、おもてなしに、ひとりのメンバーさんが、歌を歌って下さいました。歌謡曲。熱唱。このカオスさは、うまく説明できないので、ぜひ体験してほしい。「べてる流」炸裂。カオス。素晴らしい。
午前は、昆布製品の出荷準備。私も参加させて頂き、はさみで昆布をチョキチョキしました。メンバーさんの中で、年長者の方が、私に昆布の切り方を教えて下さいました。私が困っていると、作業中すぐに助け船を出してくれる。よそ者への優しさに感動する。素敵や。
午後は、住居(グループホーム)の見学へ。管理的空気は一切なく、皆さんもう自由に過ごしてます。タバコも自由。足早だったため、住居はゆっくりは見れず残念。
■4月15日
この日もおもてなしで、朝から歌謡曲熱唱して頂く。やはりカオス。素晴らしい。
初めて、SST(ソーシャルスキルトレーニング)の見学をさせてもらう。
そうかあ、こういったことで悩むのだなということを知り、自分だけで解決するのではなく、みんなの力を借りて、改善していくという手法に納得。べてるの理念『場の力を信じる』
午前で見学は切り上げ。今度は山道を通って、帯広空港に戻る。と、その前に、大量の昆布商品を買って帰りました。
↓昆布はこちらのショップからもご購入いただけます。
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昆布の切り方を教えてくれた、年長者の方のお一人がすごく素敵でした。私のような、よそ者へも優しく、出勤していない人がいれば「〇〇さん、昨日休むと言ってたよ」と話し、「いやあ、おかしい、おかしい、俺たち頭おかしいからな」とべてる流のジョークをガンガン飛ばし、周囲への配慮を感じさせる方。こういう方になりたいと感じる。はにかみ笑顔がすてきなおじさまでした。ご自身のことはあまり深くは話されなかったけど、本州から二、三十年前に浦河に越されたと話してくれた。別れの時、また逢いたいと思った。きっと沢山の苦労があっての、人柄なのだろうなと。優しさを感じる。最後、「短い間だったけど、また」「また、逢いにきますね」と言って別れた。
また、悩んだら、べてるに行こう。
↓wikiも貼っておきます。ご参照くださいませ。